Akiです。
以前も書いたのですが、東ヨーロッパを一人で旅行したことがあります。モスクワ経由でハンガリーのブタペストに行きました。
モスクワ(シェレメーチエヴォ国際空港)でのトランジットは時間がなくて、ターミナルの中を全速力で走って、ブタペスト行きの飛行機(アエロフロート)になんとか間に合いました。
(アエロフロートの飛行機(ロシア)) ※ネットからの引用
でも、その飛行機に乗り込むと自分の座席(窓際)にはちょっと雰囲気が違う(ジプシーっぽい、ちょっとアジアっぽい?)中年の女性が座っていました。
”ここは私の席では? あなたのチケットを見せてくれますか?”
とAkiが言って、見せてもらうと、やはり違っていました。自分のチケットを見せて正しいことを示したのですが、席を譲りません。がんこなのです。ロシア人のCAさんを呼んで説得してもらったのですが、『この席がいい』『お前は空いている別の席に座ればいいじゃないか』の一点張りです。
Akiとしては、不愉快だったのですが、相手が女性でもあるし、しぶしぶ違う席に座りました。こんな体験は初めてでした。
彼女はなんのなか? 素朴な疑問を持ちました。あの雰囲気、異質感。あとで調べてみるとヨーロッパ、特に東側では『ロマ』(ジプシー)が多くいるそうで、彼女はその一人だったかも、と思いました。
ロマとはジプシーと呼ばれてきた集団のうちの北インドから放浪してきて中東欧に居住する移動型民族のことで、1000~2000万人くらいいるそうです。いつも移動している為、国籍をもたず、その独特の生活習慣や宗教の為に、迫害を受け続けてきたのです。それは、今でも根強く残っていて結婚や就職などで差別があるとのことです。
座席のことでもめた女性に対してAkiが感じた『異質感』は、かなりのものでした。日本でも空気の読めないやつ、というのはいるのですが、それとは違う。
華やかなイメージのある欧州なのですが、その裏側をちょっと垣間見てしまったようなばつの悪さをその時感じたのでした。
(ロマの人たち)※ネットからの引用
(ロマの住居)※ネットからの引用
ロマ女性?とはその後はトラブルもなく、飛行機はハンガリーのブタペスト空港(リスト・フェレンツ国際空港)に大きく揺れながら、勢いよく着陸しました。
機内は大拍手、これは習慣のようです。恐ろしい空の旅が無事終わってよかったという安堵の拍手、安全な操縦をしてくれたパイロットに対する感謝の拍手。そんな意味のようです。Akiもつられて、少し苦笑しながら拍手をしました。これも『異質』。
なんとなく、知っているつもりのヨーロッパとは違う、旧共産圏の残り香を嗅いだような気持ちになりました。
ロマの女性と拍手、東ヨーロッパの旅での印象的な一コマでした。
ロマと拍手のこと ~東欧の旅~(終わり)