Tu&Aki’s Couple Life

ゲイが考える『ベトナム』『アジア』『海外旅行』『日本』『仕事・働き方』そして『大事な彼氏』のこと

国境のはなし

日本人ゲイのAkiです。

 

 

今年(2019年)の夏にベトナム北部を旅行し、中国との国境を見てきました。そのときは中国なんぞ行きたくない、と思い国境は超えませんでした(というか日本人は中国へはノービザで入国できるのですが、ベトナムへは出国後30日が経過しないかぎりノービザで再入国はできないので、一旦出国するとベトナムに戻ってこれなくなるので現実的に中国入国は無理なのでした)。

 

f:id:TuAki:20191110213239j:plain

f:id:TuAki:20191110213152j:plain

ベトナムー中国の国境)

 

以前もいろいろな国を旅行して、ヨルダン―イスラエル国境、タイーカンボジア国境、アメリカーメキシコ国境を越えたことがあります。そのとき感じたのは、『国境というライン』をまたぐだけで様々なものが一変するという『不思議さ』でした。


中東のヨルダンはイスラムの国で、明らかに発展途上で貧しく、混沌としていました。道も整備されておらず、土埃が舞い散る場所でした。しかし、そのラインを超えたイスラエルユダヤ教の国で、すべてが整然としていて、抜けるような青空があって、空気が一変したのです。印象的だったのは銃を持った女性兵士の姿です。イスラムの国には女性兵士はいません。イスラエル国民皆兵国家であり、満18歳で男子は3年、女子は2年の兵役に服さねばならないそうです。イスラエルは周りのアラブ諸国と何度も戦禍を交えています。しかし、その女性兵士たちは明るくて、きれいで、屈託がなくて、ヨルダンとはまったく異なっていました。

また、タイ―カンボジア国境(かなり奥地)を越えたときは、その国境を支配するのはタイ政府でもなく、カンボジア政府でもないことに驚きました(だいぶ前の話ですが)。ゲリラがその地域を支配していて木材の密輸などを平然とやっていたのです。ゲリラというと、おそろしくて、危険という印象を受けますが、旅行者が国境を超えるときに手数料を徴収するので、そのお得意様である旅行者には意外と親切なのです。ゲリラと言えども、日々食べていかなければなりません。なので、経済活動は大事で、その収入源である旅行者の安全は確保しなければならないのです。それで、国境というのは国の境目のことなのですが、いずれの国にも属さない空白地帯で、かつお金儲けもできるところなのだ、とそのとき知りました。
※但し、Akiは事前に安全を十分確認した上でタイ側からカンボジア国境に行きました。


アメリカーメキシコ国境(西海岸沿い)の場合は、カリフォルニアの太陽の光が降り注ぐ、まばゆい海岸を南下して、高速道路の料金所みたいな国境を簡単に抜けたのですが、英語からスペイン語に言葉が変り、道の舗装が急に悪くなりました。それは、この二つの国の経済格差を露骨に感じさせるものでした。

 

ラインのこちらと向こう側、それは言語、文化、経済の違いを明確に、かつ厳格に知らしめられる場所なのでした。日本は島国なので、こうした体験はできません。飛行機か船で長い時間をかけて海外に出ることになるので、ラインを越えることはありません。なので日本人であるAkiはこの『国境』不思議なものに思えたのでした。

そのラインを超える前と後では景色が違う。

それはAkiの旅行の楽しみの一つです。

 

国境のはなし (終わり)