日本人ゲイのAkiです。
まずは経済の基本である為替、ベトナムドンと日本円の関係についてです。
下の図は、過去10年間のベトナムドンと日本円の為替推移を示したものです。
縦軸が日本円1円あたりのベトナムドン。直近では1円が220ドンくらいです。そして横軸が年。なので上にゆけば円高、ドン安(要するに円の価値が上昇)、下にゆけば円安、ドン高(要するに円の価値が下落)ということになります。
(ベトナムドンー円の為替推移)
グラフを見ると2011年で高値をつけ、その後2015年まで下落し、底値をつけたあとじりじりと上昇しているのがわかります(円高、ドン安)。
次のグラフはベトナムドンと米ドルとの関係を示したものです。縦軸は1ドルあたりのベトナムドン。
(ベトナムドンー米ドルの為替推移)
こちらはほぼ右肩上がりに、米ドル高の傾向となっています(ドンの価値が徐々に低下しているのです、ドル高、ドン安)。
ちなみにですが、日本円と米ドルとの関係も下図に示しました。縦軸は1ドルあたりの日本円。
(米ドルー日本円の為替推移)
2011年に底値を付けたあと(円高)、上昇に転じ(円安)、105円から110円前後で推移しています。若干、円高の方向に向いているようですが(円高、ドル安)。
この3つの図から言えることは、ベトナムドンは米ドルに対して管理されていて、日本円はただその相場に引きずられているだけということです。
それで、結局、
『ドル高、ドン安のトレンドがあって、かつ円高、ドル安なので、したがって円高、ドン安となる』ということのようです。
実は、ベトナムは完全な変動相場制ではなく、中国と同じ管理変動相場制をとっており、それは自国の通貨の変動幅を固定し、その幅の範囲内で各国通貨が自由に取引される制度のことです。そして通貨の変動幅は、ベトナム中央銀行によって管理されています(中央銀行が発表する為替レートの上下3%の範囲内での取引が認められているだけです)。
そして、ベトナムドンはドルに対して徐々に上昇していますが、これは国内のインフレ(物価上昇)によるものです。その実態に応じて中央銀行が操作しているわけで、実際のインフレ率はこの上昇率以上だと思われます。
円高になれば円の価値があがって日本人にとって海外旅行はしやすくなるのですが、これは円高というよりもインフレによるベトナムドンの価値が下がったというべきで、実感としては物価はむしろ上がっているように感じます(たとえ円を持っていったとしても)。
一方、ベトナムの市中銀行の金利は7~8%で驚くべき高さです。でも、為替からうかがえるインフレの進行を考えると、銀行に預けておくよりもモノに替える(株式とか)ほうが理にかなっているようにも思えます。ということは株で資金を集めるのが楽ということになるので、ベトナムでの起業のチャンスかも。
円高とドン安 (終わり)