日本人ゲイのAkiです。
また、ベトナムに行ってきました。2017年の5月のことです。
彼氏のTuはバングラデシュで働いてますが、ビザの更新でベトナムのハノイに帰ってきています。その為、またハノイで会うことになりました。
(ハノイのホテル)※写真はネットからの引用です
滞在したのはAkiのお気に入りのハノイ旧市街です。
(ホテルの部屋)※写真はネットからの引用です
5000~6000円も出せば高級ホテル並みの部屋で過ごすことができるのです。
もうお馴染みとなったノイバイ空港でTuと待ち合わせ、一緒にタクシーでハノイ市街に移動し、ホテルにチェックインしました。
そのあとは、二人で旧市街を散策しました。
ホテル近くに東河門(クアンチュォン門、Cửa Ô Quan Chưởng)がありました。
(ハノイ城壁の門)※写真はネットからの引用です
かつて旧タンロン(ハノイ)の周囲に築かれた城塁上にあった数多くの門の一つで、1749年当時は16の城門がありました。城塁はハノイを囲んでおり、都を洪水から守る役割も果たしてたそうです。門は幾度となく修復され、1817年に現在の形になりました。ハノイがフランスの統治下に入るとフランスは池や湖を埋め立て新しい道を造り、都市の拡張を図り、そのため1886年に城壁城門ともに破壊されましたが、この門だけは残されたそうです。
”小さいでしょ、ははは” とTuが笑いながら言います。
”でもね、昔はこんなに小さくなかった、大きかったんだよ”
”周りを埋め立てて、上だけが残っているから小さく見えるんだ”
ふううん、そう
一応、Tuはベトナム人なので信じます。
それで、Tu、今回はハノイで何する? とAkiが聞きました。
”ふーむ”
”もうハロン湾は行ったし、ハノイの名所はAkiはほとんど見てるよね”
”じゃあ、少し遠いけど、ニンビンに行ってみよう、日帰りで行けるし”
ということで、ニンビンに行くことにしました。
バスツアーが楽でいい、とTuが言うので、Tuに予約してもらいました。
以前行ったハロン湾はハノイから4時間ほどかかりましたが、ニンビンはハノイから南に向かい、バスで2時間ほどです。
お尻が痛くならない距離なのです。
よかった。
ニンビン (Tỉnh Ninh Bình)の説明;
ニンビンは紅河デルタ地方の南端に位置している(ハノイの南)。
10世紀(ハノイ遷都以前)に都が置かれ、石灰岩質の岩山と水田が織り成す風景を小舟に乗って楽しむタムコック渓谷が有名、だそうです。
小舟の遊覧、楽しそう。
翌日はホテルからツアーの集合場所に出かけ、バスに乗り込みました。
ハノイの交通渋滞を抜けると、一転、一路南へ快調にバスは飛ばします。
途中、レストランによって食事をしました。
やぎ肉です、名物ということらしい。
食事を終えてレストランを出るとなぜかたくさんの犬が檻に入れられてました。
ペットというには扱いが粗末です。
あとでTuに聞くと、この犬を食べるそうです。
ということは食用犬。
Tuも食べるの? と聞くと、
”もちろん、食べるよ、おいしいよ”
かわいそうな気もするのですが単に文化・習慣の違いです。
”今度、Akiにも食べさせてあげるよ”
”普通の焼肉と同じだから、犬だとはわからないよ”
いや、遠慮しとく、日本人は鯨は食べるけど犬は食べない
さてバスはニンビン観光のハイライト、タムコック渓谷に着きました。
バスツアーの一行は4人づつに分かれ、小舟に乗り込みます。
今回のツアーは圧倒的に韓国人が多く、日本人はAkiひとりのようです。
気持ちは ”Away" です。
かなり太った韓国人客がベトナム人ガイドに向かって言ってます。
”俺は太っているからこの舟には一人で乗りたい”
”お金は出すから、俺用の舟を出して欲しい”
お客さん、そんなこと言っても、ツアー料金は舟一艘あたり4人分で計算して予約してあるんだし、無理、無理、とガイドが言います。
彼のために舟を出した方がいいかもしれない、とAkiは思いました。
じゃないとたぶん、舟は沈む
結局、あとで見ると4人用の舟にその太った韓国人も含めて3人で
乗っていました。
舟はかろうじて浮いていました。
一方、AkiとTuは、別の舟に乗り、後ろには太っていない韓国人の男性二人が座りました。
船頭さんは女性です。
きゃしゃな体形なのですが、2時間ずっと漕ぎっぱなしでした。
慣れた手つきでオールを操っています。
Akiたちもオールを持ってときどき漕ぎましたが、すぐ腕が痛くなったので早々にあきらめました。
(タムコック遊覧)※写真はネットからの引用です
この遊覧もいいですね。
海ではないので波はありません。なんの音もなく、ゆっくりと小舟は進みます。
空は青空、晴天です。少し暑いですが気分がいい。
しかし、後ろに乗った韓国人の2人が気になります。
最近の日韓関係微妙だし、あまり話したくないな、とAkiは思いました。
韓国人がTuに話しかけます。
”どこから来たんですか”
Tuは答えます。
”ベトナムからだよ”
ああ、ベトナム、住んでいるの?
”そう、ベトナム人だから”
はは
Akiは、韓国人にこっちに話しかけるな、
Tuよ、Akiが日本人であると言うな、と心の中で思いました。
ややこしい会話にならないようにとひたすら念じていたのです。
TuもAkiの気持ちを察したのか、適当に会話を打ち切りました。
微妙なんです。
日韓がぎくしゃくして、もめてることはお互いに知っている。
それでお互いに気をつかったりしてしまう。
それで会話が途切れ、変な空気が漂う。
そうなりそうな気がしたので会話を避けたのです。
でも、別に旅先なんだから普通に会話して盛り上がってもいいのかもしれません。
しかし、やはり微妙です。
Akiの考えすぎなのかもしれませんが。
(タムコック遊覧) ※写真はネットからの引用です
さて、遊覧を終えた小舟はしずしずと湖面を進み、船着き場に到着しました。
例の韓国人たちは早々に降りてゆきました。
Tuは?、と振り返ると女性の船頭さんにお金を渡していました。
”どうもありがとう”
船頭さんもうれしそうな顔をして受け取ってました。
Tu、やるね!
2時間も舟を漕いでくれた船頭さんだから心づけは当然だよね。
しかし、本来はAkiがそうすべきだったのに、
Akiはそのことにまったく 気づかず、少し恥ずかしい気持ちになりました。
Tuはごく自然にお金を渡していました。
Tu、いくら渡したの? 俺が払うよ
”いいよ、ほんの少しだから”
ベトナム人の優しさ、あるいはTu個人の優しさなのか、Akiにはわかりません。
でも、Tuが人の気持ちをよく理解する人間であることは間違いないようです。
ベトナムにも物乞いはいます。
お寺の出口などに遠慮がちに座っているのです。
そんな時でも彼らの前を通るときTuは自然にお金を渡します。
Akiには、ベトナム人を理解するにはまだ十分な経験はありません。
しかし、彼氏のTuを通してその優しさを感じます。
そして、その優しさは日本人であるAkiにとってすがすがしいものでした。
もっとベトナムを知りたい、理解したい。
そんな気持ちがつのるニンビンの旅でした。
それと韓国人とは少しくらいは話してもよかったかな、
彼氏のTuを見ていて、ちょっぴり反省しました。
ベトナムの旅(ニンビン) (終わり)