Tu&Aki’s Couple Life

ゲイが考える『ベトナム』『アジア』『海外旅行』『日本』『仕事・働き方』そして『大事な彼氏』のこと

憲法のこと

歴史ものが好きで、関連本をよく読んでいます。

 

今日は、この本。

「日本史を疑え」 (文春新書 1360) 新書 – 2022/5/20 本郷 和人 (著)
・・・「定説」も「最新学説」も一から見直そう! 45のクエスチョンで日本史を総ざらい・・・

 


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この本を読んでいて、「ほうっ」と思ったことがありました。

それは、古代の日本で律令(制度)が導入された頃の話です。
律令7世紀後期から10世紀にかけて、中国の唐の仕組みを取り入れ、強力な国家体制の実現、国民皆兵制による大規模な国家軍事力、公地公民制の徹底に特徴がある国家理念

 

律令とは、7世紀の憲法とも言えるわけですが、実は、中国を真似て導入したこの律令は、当時の日本の現実からかけ離れていて、最初から「絵にかいた餅」だったそうです。だったら、変えればいいのにとなるのですが、放置したまま、あらたに国は、戸籍を基にして、一定の資格を持つ者に対し田を口分田として与える班田収授制、あるいは墾田永年私財法などを導入してゆきました。これにより従来の律令における公地公民の概念は否定されたのでした。

要するに、我々の遠い祖先は、「建前」として律令憲法)はそのままにして、改正することなく、実態に即した法令を新たに施行して、運用してきた、ということですね。

 

そう考えると、今の憲法日本国憲法)もある意味、納得できるのです。

 

いつも騒がしい、憲法第9条

・・・日本国民は、正義と 秩序を基調とする国際平和 を誠実に希求し、国権の発動 たる戦争と、武力による威嚇 又は武力の行使は、国際紛争 を解決する手段としては、永 久にこれを放棄する。 ② 前項の目的を達するため、 陸海空軍その他の戦力は、こ れを保持しない。 国の交戦権 は、これを認めない・・・

 

これをまともに読めば、自衛隊という軍隊もダメだし、当然、戦争はしてはいけない、となるのですが、現実には自衛隊という軍隊を保有し、2015年には平和安全法制、2022年には、「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」が閣議決定されています。

 

だから、早々に憲法は改正されるべき、と思っていたのですが、
この本を読んで、建前はそのままにして、うまいこと国を運営して行く、
それが日本の国柄なのだ、と気づき、妙に腑に落ちました。

要するに、「憲法」は建前(絵にかいた餅)であっていい、ということです。

 

ちなみに、明治の時代に作られた大日本帝国憲法ですが、これも50年あまりの施行期間で改正されたことは一度もないそうです。

唯一の改正が、現在の日本国憲法の制定時のことで、現行憲法は、大日本帝国憲法の改正手続に従って行われ、1946年10月に国会で可決され、同年11月3日に公布されたそうです。しかし、これは、日本の敗戦による、いわば外圧(アメリカ)の下での改正ということですね。

 

そんな歴史を知ると、今の日本国憲法の内容(文言)を変えずに、解釈をどんどん変えて、新しい法令(集団的自衛権も含めて)でどんどんやってゆけばよい、と思えてきました。

 

だって、それが日本人なのですから。

 

憲法のこと(終わり)

 

追記)

7世紀の憲法である律令は、当時の中国からのパクリ、明治憲法は当時のドイツ帝国のものを参考にした。で、今の憲法は、アメリカ占領下で作られたもの。

日本における憲法とは外からやってくるものなのかもしれませんね。

また、日本には聖徳太子による十七条の憲法というものもあるのですが、これは、単に官僚や貴族に対する道徳的な規範を示したもので、近代における憲法ではないそうです。

「和をもって尊しとし、逆らわないのを教義とせよ。・・・・」というやつですね。
でも、この道徳的な規範が守られれば、それだけで十分。

 

また、明治維新の際に、維新早々に『五か条の御誓文』というものが出されています。
それは、以下の五か条。

①広く会議を興し、万機公論に決すべし。
②上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし。
③官武一途庶民にいたるまで、おのおのその志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す。
④旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし。
⑤智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし。

これも、精神論であり、道徳的な規範を示したもの

 

これが守られれば十分。

そんな気もするのです。さて、どんなもんでしょうか?