Akiです。
ベトナム人の彼氏と知り合う前のことですが、ベトナムのニャチャン(Nha Trang)を旅行したことがあります。
まだ、Akiがベトナムを知り始めた頃です。当時はニャチャンという名前すら知りませんでした。日本人の知り合いからベトナムのビーチでニャチャンというのがあって、行ってよかったよ、と聞いて無性に行きたくなりました。
それで行ってみたのです。
真夏の旅でした。
(ベトナム地図、ニャチャン、Nha Trangは右下)
ニャチャンはベトナムの中部(南寄り)の海岸沿いの町です。
なので日本からは、ホーチミン(HCMC、旧サイゴン)のタンソニャット空港まで行き、そこで入国手続きを済ませ、国内線に乗り換えます。ホーチミンからは一時間ほどでニャチャン空港に到着しました。
正確にはカムラン空港ですね。
その空港からニャチャンの市街までタクシーで一時間くらい。
Akiはここで5日ほど過ごしました。彼氏とは知り合う前なのでそのときは一人旅でした。ビーチで、日がな一日過ごしたり、近郊の観光地を訪ねたりと優雅なバカンスを満喫しました。
ただ、不思議に思ったのは、やたらとロシア語の看板が多く、そしてロシア人観光客が多いことです。
ビーチに出ると巨大な体のロシア夫人が水着姿で泳いでいたのが印象的でした。
(ニャチャンビーチ)ホテルの窓から
なぜロシア人が多いのか?
主な理由は、ロシアからニャチャンのカムラン空港に直行便がでており、寒いロシアからの避寒地として、以前からロシア人の定番ビーチリゾートとして知られていたからだそうです(ネット情報から)。
でも、Akiはそれだけが理由ではないように思います。
ニャチャンの玄関口であるカムランは天然の良港として知られ、軍事拠点として用いられることが多く、日露戦争中にはロシアのバルチック艦隊が寄航し、太平洋戦争中には日本海軍も使用しました。
1975年のベトナム戦争で北ベトナムがここを占領してからは、社会主義陣営の基地となり、旧ソ連が1979年より2002年まで(ソ連崩壊後はロシア)、その太平洋艦隊の一部が駐留していたそうです。
実に23年間です。
この時代に、ロシアにとってカムランが身近なものになり、近郊のニャチャンの存在が知られるようになったのではないか、とAkiは思っています。
ロシアとベトナム、すごく遠いのですが、常に隣国の中国と対抗してゆかなければならないベトナムにとって、中国をけん制する意味でロシアとの友好は大事だったのだと思います。
なので、ニャチャンの町を闊歩しているロシア人は、冷戦時代の名残りでもあり、今のベトナムの立ち位置を表している、と言ってもいいのかもしれません。
(カムラン湾とニャチャン)
ロシア人が多いこともあって、意外と西洋料理もおいしいのですが、やはり海産物がいい。ロブスターを道端で焼いていて、それをそのまま買って歩きながら食べることもできます。
ぜいたくですね。
あと、ニャチャンの観光ですが、ビーチのほかに意外と見るべきものがあります。
例えば、ポー・ナガール(Thap Po Nagar)。かつてベトナム南部を支配したチャンパ王国の遺跡です(チャンパの神話に出てくる女神ポーナガールを祀る祭壇)。ベトナム東南部に居住したチャム人が、2世紀末に中国(後漢)の支配から独立し、チャンパ王国をたてました。チャンパはインド文化を採用し、中継貿易で栄え、石造寺院建築などに独自の様式を生み出したものの、北のベトナム王朝や西のクメール王国(カンボジア・アンコール朝)との争いが絶えず、そして南下するベトナム勢力に圧倒され15世紀後半にはその支配下に入り、17世紀に滅亡したのでした。ポー・ナガールの建築を見るとインド文明の影響を明らかに感じます。インドの影響ははるかベトナム南部にまで達していたのでした。
今もお祈りに来る人が絶えません、チャム族?インド人?
ポー・ナガール(Thap Po Nagar)
ポー・ナガール。
その寺院は高台にあるので、遺跡を見て、振り返るとニャチャンの街と港が一望の下に見渡せます。青くて、舷側の高い舟が漁船。ベトナム独特の形をしています。
チャンパから時代が下って、19世紀。
1889年に建立された隆山寺(ロンソン寺、Chua Long Son )。
130年ほど前のお寺ですが、落ち着いていいお寺です。ベトナム南部のお寺は極彩色に塗られているものが多いのですが、このお寺はくすんだとび色の屋根がいい味を出していました。Akiが行ったときは、ほとんど観光客もいなくて、静かな空間を楽しむことができました。
夏の暑い日だったのですが木陰に入ると心地よい風。
隆山寺(ロンソン寺、Chua Long Son )境内をのぼってゆくと巨大な仏様
暑い中、カフェで冷たいベトナムコーヒーを一杯、ほっと一息つきました
ベトナム一人旅。
ベトナムが好きになりかけていたような。
それで、ベトナム人の彼氏を探しはじめていたような。
そんな気持ちだったと思います。
ベトナムの旅(ニャチャン)終わり