台湾好きの Akiです。
台湾はなんども訪れています。
親日的で、いろいろな場面で日本語がよく通じて、日本人旅行者にやさしいことから台湾に好感を持つ人は多いようです。
台湾の首都はご存じ台北(タイペイ)。
その台北から台湾高鐵で2時間ほど南に行くと台南市があります。
台湾高鐵とは台北と南部の高雄を結ぶ高速鉄道のことで、車輌は日本製(新幹線とほぼ同じ)で、そのほかはドイツやフランス製だそうです。
要するに日欧混在システムの高速鉄道。
だいぶ前ですが、その新幹線に乗って台南を旅行しました。
台北駅で切符はどこで買うのかな、と思ってきょろきょろしていると、すかさず、なにかお困りですか?と声をかけられました。本当に親切な人達だなと思います。
で、切符を買って、プラットホームに出ました。
このプラットホームは中国語で『月台(ユエタイ)』です。
第一月台、第二月台とかの表記があります。
この月台、語源はお月見をするために作った台だそうです。京都の銀閣寺に向月台と呼ばれる砂盛りがありますね。向月台は、この上に坐って東山に昇る月を待ったものだそうです。確かに、汽車を待つ間、プラットホームにたたずんで、夜空に浮かぶ月を眺めるという風景もありそうです。でも、台湾の地下鉄のホームや高速鉄道の駅はモダンでピカピカなので、月台という言葉の風雅さは感じられません。ただ、台湾の在来線の駅はレトロ感(日本統治時代の名残り)があり、そのホームから月を眺めることもできそうですが。
そして駅弁、『便當』と書いてあってお店で売ってます。中身はさすがに幕の内弁当ではなく、ご飯の上に豚肉や野菜がのった中華風です。ごはんに甘いタレがしみこんでいておいしい。
(便當/駅弁) ※ネットからの引用
で、台北から二時間ほど新幹線に乗り、台南に着きました。
早速観光です。
台南観光の目玉は赤崁楼(せきかんろう)。『赤崁』とはこのあたりの地名だそうです。赤崁楼はもともと17世紀にオランダ人によって建てられた城で、当時は「プロヴィンシア城」と呼ばれていました。その後、オランダが撤退し、台湾は鄭成功の時代を迎え、さらに清朝、日本統治へと変遷してゆきます。その間に何度も改築されてきたので、赤レンガと中国建築が融合した建物へ変化していったそうなのです。
たくさんの観光バスがとまっていましたね。
赤崁楼は台湾で見るべきものの一つなのです。
(赤崁楼)※ネットからの引用
あと、台南のグルメで絶対に外せないのが、担仔麺(タンツーメン)です。『度小月』というお店が有名です。1895年創業の老舗だそうです。そこで、その麺をいただきました。量は少なめで、安いので何杯でも食べることができます。
(担仔麺) ※ネットからの引用
でも、『度小月』、どしょうげつ、変な名前ですね。
これは実は、このお店は漁師さんの副業として始められたそうで、漁に出ることの出来ないシーズン(=「小月」)は、麺の販売を行っていたそうです。そのため、小月を過ごすという意味の『度小月』という名前が付いたとのこと。
と、ここまで書いてきて、涙が出そうです。
この台南の旅、実は元の彼氏と一緒の旅でした。日本人の彼氏でした。単に台南の旅を書くつもりだったのですが、次々といろいろなことが思い出されてきました。
夏の台南、とっても暑かった。
その中を有名なこのお店を探すのに二人して歩き回りました。
それでやっと探し出して二人で美味しく担仔麺を食べました。
彼氏は暑いのが苦手だったのですがふうふう言いながらついてきてくれました。
楽しい台南の旅が終わって、日本での生活。
つまらないことで自分の方から別れようと言いました。
でも別れたあと、車に乗って会社に行く途中、急に涙が出てとまらなくなりました。
自分から別れを言い出したのに、馬鹿な俺。本当に馬鹿な俺。
なにが大事なのか、ぜんぜんわかっていなかった。
元彼は自分なんかよりもっともっと涙したと思います。
もっともっと気持ちが傷ついたと思います。
台南の旅、振り返ると、馬鹿な自分がいました。
だから、とても苦くて、涙まじりの『台湾旅情』なのです。
台湾旅情 ~台南~(終わり)