Akiです。
彼氏のことです。
ベトナム人の彼氏が最近、日本に行きたい、と言い出しました。
Akiとしては、大歓迎です。
今までは、
”俺ばっかりベトナムに行っているから、たまには日本に来たら?”
とAkiが言うと、
『日本のビザをとるのは大変なんだよ。もう少したったら、たぶんノービザで日本に行けるようになると思うから、そのときには行くよ』
と言ってたんですけどね。
日本入国のビザが緩和される気配はないのですが、最近、彼氏の女友達がビザをとって気軽に日本や韓国に遊びに行っているのを見て、僕も行こう、と思い立ったようでした。
(日本のビザ) ※ネットからの引用
しかし、ベトナム人が日本ビザを取得するにはベトナム側と日本側で様々な書類を作成することになります。以下がそうです。
【ベトナム側での必要書類】⇒ ベトナム人の彼氏が準備するもの
短期滞在ビザ申請書、写真、パスポート、航空便あるいは船便の予約確認書・証明書、渡航費用能力を証明する資料 (所得証明書、預金残高証明書など)、知人関係証明資料(手紙、e-mail、写真、国際電話通話明細書など)
【日本側での必要書類】⇒ 日本人のAkiが準備するもの
招へい理由書、滞在予定表、身元保証人の必要書類( 身元保証書、 住民票)、
下記書類のいずれか1点
(1)確定申告書 、(2)残高証明書 、
(3)所得証明書 、(4)納税証明書(総所得が記載されたもの)
これだけ整えて、彼氏がハノイの日本大使館に提出して、後日面談を行い、それで問題がなければビザが発給されるのです。一方、日本人がベトナムに行く場合は、15日間の滞在であればノービザで入国できるのです(要するにパスポートさえあればOK)。彼氏が半分、日本行きをあきらめていたのは納得できます。書類だけで30枚くらい書く必要があるのです。
でも、今回は全面的にAkiは協力するつもりです。今まで、ベトナムではさんざん世話になったし、彼氏に日本を見せてあげたいし。
”Tu、何日くらい日本にいるの?”
『一週間か、10日くらいだよ』
”ふうううん、で、どこかいきたいところはある?”
『Akiにまかせるよ、会えるだけでいい』
あいかわらずめんどくさがりの彼氏なのです。
”せっかくの日本だから、やっぱり東京、京都、大阪からだね、あと温泉に行こう!”
『温泉って、行ったことない』
"とっても大きなお風呂で、みんなと一緒にはいる、ゆっくり浸かると疲れがとれるよ。とてもリラックスできる。だけど水着はなしだよ”
『えええええ!!!!!!』
彼氏は湯船(というかバスタブ)に浸かるということはほとんどありません。だいたいシャワーですませます。日頃のTuの生活でも朝、シャワーを浴びて、すっきりして会社に行くのが日常なのです。なので温泉というか銭湯は初体験となります。
そんな話で盛り上がるのですが、実際ビザがとれるかどうかはわかりません、申請書の書き方で落とされることもあるようですし。
日本人はノービザでベトナムに入れるのに、ベトナム人は日本に入るためにビザが必要。不公平ですね。でも、やるしかない。
”だけどね、俺たちの関係はどう説明するの?”
必要書類の中に『知人関係証明資料』というのがあって、AkiとTuの関係を書かなければならないのです。
『それは恋人同士だよ』とすぐTuが言いました。
”でも、Tu、君は日本大使館に行って面接しなければならないんだよ、その時、ゲイカップルって説明できるの?”
『僕たちが恋人同士なのは本当のことだから、もちろんできるよ』
Akiは、Tuの答えに、あっと思って、はっとして、ほっとしました。
愛し合っていることは本当のことだから、それを正直に書けばいいのです。
正直にゲイカップルなんです、と『知人関係証明資料』には書けばいいだけです。
初めてのカミングアウトですが、相手はなんと日本政府になりそうです。
でも、日本政府がはたしてゲイの彼氏にビザ発給を認めるか、どうか。
でも、とにかくやってみましょう。
彼氏のこと(7)終わり