日本人ゲイのAkiです。
かなり前のことですが、会社で仕事をしていたとき上司から電話がかかってきました。
『あのな、Aki!』 (失礼なことに、だいたい、いつも呼び捨てです)
『最近、ピコ太郎が出てて宣伝してる、国連のなんとかというやつ、調べといて』
と言われました。なんのことかさっぱりわからなかったのですが、目いっぱい忖度して、頭をフル動員して思い当たったのが、『SDGs』です。
SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標なのです。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。
SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省
一応、その17ケのゴール(目標)を書いておきます。
目標1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
目標2. 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
目標3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標4. すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
目標5. ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
目標6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
目標8. 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標9. 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
目標10. 各国内及び各国間の不平等を是正する
目標11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する
目標13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標14. 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
目標16. 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
目標17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
むつかしい単語が多くてわかりにくいのですが、 持続可能な世界のあるべき姿に向けた世界の行動指針が示されているのです。でも、こんな大層な話がAkiの会社とどう関係するのでしょうか? まったくわかりませんでした。でも、よくよく調べてみると、この指針に沿ったことをやらないと会社として取り残されるのだそうです。要するに、投資対象として会社は存在しているのですが、投資の際に企業の財務情報だけでなく、環境、社会、ガバナンスといった非財務情報も考慮され、SDGsへ取り組んでいるかどうかも評価されるからだそうです。
一応、なるほどということで納得できたのでレポートにして上司に出しておきました。
しかし、Aki個人としては、これはかなりうさんくさい、と思いました。この理想に向けて企業が取り組もうとすると、利益を出し続けていかなかればならない企業本来の活動と背反するのではないかと感じたのです。要するに、余計な仕事が増えて企業活動が阻害される。最近では、会社の商品開発の方向性を議論する際もこれが話題に上ります。しかし、SDGsを全面に打ち出した開発は、はっきり言ってただの社会奉仕であって、利益を生むものではない。これが実態です。企業活動の幅を狭めて、企業の首を締め上げているだけのようにAkiには思えます。
国連が言っているのだから、その指針に沿って環境を良くする開発をやらなければならないんだ、と言う人もAkiの会社にいます。正直、”あほか”と思いました。国連がやるべきは、まずは世界の紛争の調停です。爆撃や弾丸がとびかう地域を世界からなくすことだと思います。それと理不尽な領土侵略や民族迫害をなくすことです。地球環境もいいですが、その前に人間が生存できること、これが大前提だと思うのです。でも国連にはそれをやれる力はありません。なのでやりやすいSDGsのような活動に力をいれるのだと思います。
『SDGs、かなり、うさんくさい』
『国連そのものも、うさんくさい』
SDGs(終わり)