日本人ゲイのAkiです。
台湾のことのつづきです。
以前、Akiはカンボジアのアンコールワットを旅行しました。アンコールワットにほど近いシエムリアップの街中のバーで飲んでいた時、カウンターでたまたま隣に座った人と話をしました。
どこの人なの? とAkiが聞くと、
”中国人だよ”
中国のどこから来たの
”台湾の宜蘭(イーラン)からだよ”
え? じゃあ中国人じゃなくて台湾人でしょ
”はは、ここでは中国人と言った方がうけがいいから”
と照れ臭そうに言いました。
確かに、シエムリアップは中国人の観光客でいっぱいで、一方、台湾からの観光客は明らかに少数でしょう。カンボジアにとって中国人はお金をいっぱい使ってくれるお得意様なのです。なので、確かに中国人と言った方が歓迎してくれるでしょう。しかしAkiだったら、なんの躊躇もなく日本人です、と言います。というか、ほかに言いようがないですね。
しかし、台湾に住む人が自分は中国人であるのか、台湾人であるのか、というのは非常に微妙な問題のようでした。
台湾の世論調査で『あなたは何人ですか?』という調査があります。自分は中国人なのか、台湾人なのかという質問です。その調査結果によれば『自分は台湾人』という人の比率が確実に増えています。
1996年では44%
2006年では55%
2016年では73%
2016年の調査では、73%が自分は台湾人と答え、残りの27%のうち『自分は中国人』が11%、『台湾人であり中国人でもある』が10%、『台湾人とは中国人のことだ』が1%、また『意見なし』は6%だったそうです。したがって現在、彼らのアイデンティティーは、ほぼ『台湾』ということになります。第二次世界大戦の後、国民党(中華民国)は共産党(中国)との内戦に敗れ、1949年に中国大陸から台湾へ逃れました。その中華民国は長年に渡り台湾住民の国政参加を拒み、差別と弾圧を繰り返してきました。しかし1987年7月以後は政治の自由化と民主化が進み、国家元首である中華民国総統から市町村の議員に至るまで選挙によって選ばれるようになっています。自由に意見や考えを述べることができるようになってから、約30年、民主化が定着し、やっと自分のアイデンティティーが確立されつつあるのでしょう。
(台湾、中華民国の国旗、青天白日旗)※ネットからの引用
台湾自身にとっては大変よろこばしいことのように思いますが、対岸の中国にとっては腹立たしい限りでしょう。中国は相変わらず一党独裁の共産国家ですし、台湾を我が領土と思っていますので。
日本人であるAkiは、やはり中国ではなく台湾にシンパシー(共感、共鳴)を感じます。それは日本と台湾が同じ民主主義の国だから、ということのほかに、おだやかな日常を大切にする気持ちが両者にあることが理由だと思っています。
台湾人の彼氏もいいかなと思ったくらいです。
結局、唯一の彼氏は台湾の南にあるベトナムの人なのですが。
台湾のこと(2) つづく