ベトナム好きのAkiです。
少し前の話です。
ベトナムにのめりこみつつあったAkiは、ベトナム南部『メコンデルタ』を旅行しました。メコンデルタは、ホーチミン(HCMC、旧サイゴン)からさらに南。
ベトナムのディープサウス(Deep South)です。
この時は、まだベトナム人彼氏と付き合う前なので一人旅でした。
でも寂しい気持ちはなく、ただ、ベトナムを旅行できることでわくわくしていました。
一人旅もいいものです。
(ベトナム地図)メコンデルタはホーチミン(Ho Chi Minh City)から南の地域 ※ネットからの引用
(ベトナム南部)※ネットからの引用、Akiはホーチミンからソクチャン、バクリューと旅をしました
『メコンデルタ』、それはメコン川が形成するデルタであり、その川の流れが縦横無尽に血流にように行き交う、ベトナム有数の穀倉地帯なのです。メコンデルタというのは本当によくできたものだと思います。ここを流れるメコン川は中国に源流を発し、ラオス、タイ、カンボジア、そしてベトナムにいたり、南シナ海(ベトナムでは東海)に注ぎます。この河口がベトナム、メコンデルタなのですが、その少し上流はカンボジアで、アンコールワットのあるシエムリアップのトンレサップ湖を経由します。この湖は巨大なもので、これがメコン川のある種の緩衝地帯の役割(天然の調整池)をはたし、川の流れをいつも穏やかなものにしてくれるのです。この”池”のおかげでメコン川が氾濫することはありません。そして、豊かな穀物や魚が苦も無く得られるのだそうです。
さて、今回の旅の起点はホーチミンです。
ちょっと贅沢なホテル マジェスティック サイゴン (Hotel Majestic Saigon)に一泊しました。
(マジェスティックホテル)※ネットからの引用
(マジェスティックホテル)※ネットからの引用
(ホテルの窓からサイゴン川を臨む、写真は自分ですね)
※超高級ホテルなのですが、ディスカウント期間だったので1万円くらいで泊まれました。
写真がゲイみたい、というかゲイそのものです。
このホテル、すごいです。
ホーチミン市の1区内、サイゴン川とドンコイ通りに面して建っている、フランス植民地時代から営業されている数少ない高級ホテルなのです。フランス植民地時代の1925年に近代的なヨーロッパ風ホテルとして開業。外観にアール・ヌーヴォー的なデザインが施された5階建て。日本の秋篠宮さまや各国の要人が宿泊されたそうです。ベトナム戦争中の1964年から1965年にかけて作家の開高健が朝日新聞の特派員としてサイゴンに派遣された際に宿泊し、産経新聞の近藤紘一などのジャーナリストも使用しており、ベトナム近代の歴史を知っているホテルなのです。
夜は、ホーチミン市内を散策しました。
ホーチミン市人民委員会 庁舎
ホーチミン市人民委員会の建物は、フランス統治時代の1898-1908年にかけて建設されたもので、ルネサンス様式を取り入れたコロニアル建築が豪華で美しい建物。サイゴンの市庁舎として使われていたあと、1975年に現在の名前に改称されたそうです。その建物の前はホーチミンスクエア、たくさんの人が行き来しています。ホーチミン市民の憩いの場所なんですね。それと、ベトナム人が好きな写真撮影の絶好のポイントでもあります。
ベンタイン市場 ※ネットからの引用、この道を歩いて渡るのは至難の業
夜のベンタイン市場
ベンタイン市場は1914年に作られました。中に入ると無数の小さな店でいっぱい。観光客向けの土産物店だけではなく、日用品や食料品を売る店もあり、大勢の人でにぎわっていました。ぼったくりは日常茶飯事。結局、何も買いませんでした。
ミエンタイ・バスターミナル(Bến Xe Miền Tây)にバイクタクシー(Xeom)で向かいました。
タクシー代は10万ドン(500円)。
たぶん相場より高いらしい。
やはりぼられていましたね。
でも、500円、気にしません。
バスターミナルで長距離バスのチケットを買い、いよいよメコンデルタの旅のスタートです。
メコン川の支流を渡る。 メコンには4つの大きな支流があり、これがさらに細かく分かれてデルタを形成しているのです。
ホーチミンから約5時間のバスの旅。
地方都市のソクチャンに着きました。
もう夜です。
ベトナムでは、民族としてキン族(一般的なベトナム人のこと)が最も多いのですが、ここはかつてクメール人(カンボジア系)の支配地域だったこともあり、クメール人が多く住んでいる地域です。また、中国系の華人も多いそうです。
翌日、SNSで知り合ったベトナム人(クメール系のゲイ)に誘われて、その彼の知人の誕生パーティーに行きました。ちょっと、そこだからと言われてバイクに乗って出かけたのです。
しかし、すごく遠い。
そこはソクチャンからさらに南、バクリューの近郊です。
ついに、こんなところまで来てしまったか。
バクリューの先はカマウ、もうベトナムの最南端なのです。
騒がしい誕生パーティーから抜け出すと、その家の裏手に川が流れていました。
すぐ足元まで水がきています。
仕切りも壁もなし。
民家の庭先に川が流れているのです。
ときどき船が現れます、静寂そのもの。
水の流れが本当にゆるやかでやさしい。
メコンデルタは増水や洪水もないのです。
穏やかで平和な風景でした。
バクリューからソクチャンに帰る途中に、クメール寺院に寄りました。
お寺の名前は忘れてしまいました。
でも、とても大きなクメール寺院です。
ソクチャンに戻って別のお寺を見物。
有名なコウモリ寺(ヨイ寺)です。境内の木々に無数のこうもりがいました。
ベトナム北部のハノイや中部のニャチャンでは決して見られない様式の寺院です。
タイやカンボジアの影響がやはり大きい。
9世紀から15世紀にカンボジアを中心に栄えたクメール王朝。ベトナム南部のメコンデルタ一帯はカンプチア・クロムと呼ばれ、かつてはカンボジアの領土だったのです。そのため、今でもクメール寺院が約600カ所あり、ソクチャンに住む人の3分の1はクメール族で、この地域全体で人口約90万人。彼らはインド文化圏の最東端に住む民族であり、一方、その地域を現在、領土としているベトナム人(キン族)は中国文化の影響を強く受けた中国文化圏の最南端の民族なので、文化的にも大きく違います。インド文化と中国文化がぶつかり合う場所がメコンデルタなのでした。今でも、クメール族はベトナムからの分離を画策して、ときおりいざこざがあるそうです。
ベトナムのDeep South、
深く分け入ると、隣国カンボジアの存在が見えてきたのです。