Tu&Aki’s Couple Life

ゲイが考える『ベトナム』『アジア』『海外旅行』『日本』『仕事・働き方』そして『大事な彼氏』のこと

Scenario(シナリオ)(3)

シェルの将来予測シナリオを解読中のAkiです。

 

着々と将来動向を調べ、これからの商品開発はどうあるべきか、
をまとめつつあります。シェルのシナリオはとても参考になりました。

我ながらよくがんばりました(笑)。

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tuaki.hatenablog.com

 

 

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このシェルのニューレンズシナリオ、2つの可能性(将来像)を示しています。

 「マウンテンズ」シナリオとオーシャンズ」シナリオです。「マウンテンズ」は現在優位な立場(山頂)にある者が、現状の体制を維持するかたちで社会の安定を生み出そうとする世界で、政府が大きな力を持ち、ナショナリズムの色が強い。一方の「オーシャンズ」は、ピープルパワー(人々の力)が中心となる世界です。様々な動きが競合し、利害関係者がどんどん増えてゆき、ぶつかりあい波立ち、何とか収まろうとする世界で、権限が広く委譲され、市場原理による調整が大きな役割を果たします。

 

自分が携わっている商品開発には直接関係ないのかもしれませんが、このうち、ピープルズパワーが支配的となる「オーシャンズ」シナリオの中の一節が気になりました。「オーシャンズ」シナリオを実際に主導してゆく人たち(官僚たち)についてです。

 

少し長くなりますが、引用してみます。

 

・・・・・新世代の官僚たち
2030年までに世界秩序は、国家の枠組みを離れた国際的な経済関係が支えるようになり、一層の国境開放 を求める動きが出てきます。オーシャンズの世界では、新たなルールを国際的に合意することは困難で、合意された国際ルールを実行に移すことも困難。ミニラテラリズム(少数国間主義)による国際間交渉が若干の成果を挙げますが、このあたりが課題です。時とともに、国際間の「基本構造(アーキテクチャー)」を構築しようとする国々が互いに協力しはじめ、その中から新たな地政学が生まれて来ます。この動きは、国際機関や各国政府に属する官僚たちの実務者レベルでの繋がりから生まれるものです。原動力となるのは、実務レベルの官僚による国家の枠を超えた協力ネットワークなのです。このネットワークは、ほとんど共通の価値観を持たない官僚たちの繋がりです。彼らは価値観を共有する必要があるとは考えていません。 世界共通の政治や経済のあり方を定めて調印したいわけでもありません。新世代の官僚たちは自分たちがグローバルかつ民主的な責任を備えていないことに悩むことでしょう。彼らが発する命令を執行するグローバルな権威など存在しないのです。彼らのエートス (精神)は、「面白くはない、が重要、そして実効的」といったところかもしれません。世界の資源供給が逼迫し、かつ環境ストレスが高まったとき、強国として浮上するのは大規模な国ではなく、経済活動の効率が高く、持続的発展に向けて急進的な道筋を辿ってきた機敏な中規模な国々です。その中には、「足るを知る」を悟った若い世代が主導する日本のほか、韓国 やノルウェー、そして加盟国に裁量の余地を与えて再生したEUが含まれるでしょう。

 

規模の大きな国々は、持続的な成長のために分権化と革新を進めなければなりません。米国は2030年代までに何とか刷新を図り、本来のイノベーションの力を取り戻します。中国も統治モデル改革を果たし、ダイナミックな 起業家の波を原動力として、革新してゆく力に満ちた 「新中国」に生まれ変わります。

市民社会はかつてなく大きな力を持つようになります。 しかし、市民社会が世界に与える影響は必ずしも好ましいものばかりではありません。様々な団体が、新たな形態のコミュニケーション手段やメディアを使って自分たちの考えを主張し、グローバルな課題に対する影響力を強めます。こうした主張は、リベラルで民主的なものから極めて偏狭なものや犯罪にあたるものまで、実にさまざ まです。グローバルメディアネットワークは今日と同じよ うに、世界的視点に立った見解であろうと視野の狭い偏狭な考えであろうと区別なく、あらゆる情報を、同じ扱いで、拡散します。

それでもなお、 オーシャンズの物語の主役は、地域性や利害関心や問題解決の実行能力にも違いがある様々な コミュニティなのです。コミュニティが全体的な地政学的 構造の基盤となります。世界というこの巨大システムの命運は、様々なコミュニティがどのような意思決定をし て、どのように協力してグローバルな取り組みを行える のか、にかかっているのです。

・・・引用終わり

 

 

ピープルズパワーが支配的となる「オーシャンズ」シナリオの中で、官僚はどうあるべきか、を論じています。そして、どんな国が主導的な役割を果たすのか、ということです。

それで、強国として浮上するのは大規模な国(中国やアメリカなど)ではなく、経済活動の効率が高く、持続的発展に向けて急進的な道筋を辿ってきた機敏な中規模な国々。その中には、「足るを知る」を悟った若い世代が主導する日本も含まれる、と言っています。

 

「足るを知る」を悟った若い世代が主導する日本、

 

これは、暗示的な表現だなと思いました。

1960年代の高度経済成長を経て、科学技術も進歩し、多くのノーベル賞受賞者も出している日本。その現在は、あえて野心的な進歩を求めなくてもいい、今のままで十分、ということだと思います

 

オランダにあるシェルという会社が作った将来予想のシナリオなのですが、日本という国に対する見方も知ることができました。意外と真実を衝いているかも。

 

日本が世界の中で発揮するのは決してハードパワーではありません。あくまでもソフトパワーだと思います。で、そのソフトさは、足るを知るを悟っていることで初めて発揮できることなのかもしれません。

 

足るを知ることで、得られる豊かさ、そして、その強み

 

それは日本人の将来を切りひらくキーワードなのかもしれません。
近隣には、足るを知ることもなく、どん欲に覇権を求め続ける国があります。

 

足るを知らせること、が大事なのかもしれません。

 

Scenario(シナリオ)(3)(終わり)