Akiです。
最近の中東。
この戦争の発端は、2023年10月7日、パレスチナのガザ地区を支配するハマスによるイスラエルへのミサイル攻撃が宣戦布告抜きに開始され、また同時に海上を水上艇が、陸上では歩兵による攻撃や国境の検問所を突破してでの越境攻撃も開始されたのでした。それで多数の非武装の民間人、イスラエル人や外国人が射殺されたのでした。
※ハマス、ハマース;
ハマースあるいはハマースは、パレスチナのスンニ派イスラム原理主義、民族主義組織であり、パレスチナ土地奪還と、パレスチナ人権保護を目的に活動している。2006年のパレスチナ立法選挙で勝利し、2007年のガザの戦いの後、ガザ地区の事実上の統治当局となった。パレスチナ自治政府の議会でも過半数を占めているものの2007年の分割統治以降、議会は実質停止している。カナダ、欧州連合、イスラエル、日本、オーストラリア、イギリス、アメリカ合衆国はハマスをテロ組織として指定している。一方、ブラジル、中華人民共和国、エジプト、イラン、ノルウェー、カタール、ロシア、シリア、トルコからはテロ組織とはみなされていない。
ニュースの第一報では、60人ほどのハマス(パレスチナ人)がイスラエルに突如乱入して、銃撃を始めた、ということで、酷いテロだ、という驚きとともに、
ふと、「赤穂浪士の討ち入り」を思い浮かべました。
※赤穂浪士の討ち入り;元禄15年(1703年)に、赤穂藩の旧家臣たちが、主君の浅野長矩が切腹に追い込まれた原因となった吉良義央を討つために、江戸本所の吉良邸に侵入した事件。吉良を打ち取ったあと、討ち入り参加者は、吉良邸から引き揚げて浅野長矩の墓前に吉良の首を供えた後、幕府の命令で切腹しました。
イスラエルは世界18位の軍事力を有する国家で、2023年1月時点で601機の軍用機を保有し、そのうち241機が戦闘機。また、戦車は2200両、自走砲は650基を保有しているそうです。ちなみに日本は8位。
https://www.businessinsider.jp/post-270519
そんな国に、60人ほどで打ちかかるとは!、と思ったのです。
赤穂浪士の討ち入りは、当時の最高権力である幕府が下した判定が不公平(片落ち)であるとして、自ら、それを正そうと、実力行使に出て、吉良を殺害することに成功したわけですが、今回のハマスの行動は、どうなんでしょう?
赤穂浪士と同じように憎い相手を殺傷することが目的だったのでしょうけど、単に一般人を対象とした無差別殺人(テロ)に過ぎず、その意味がわかりません。
世界中にパレスチナに対するイスラエルの理不尽を訴えたかったのでしょうか。
しかし、そのために、なんの罪もない多くの民間人を殺戮して、世界がその訴えを受け入れるでしょうか? また、先端的な軍事力を持つイスラエルに無理に打ちかかっても、逆襲に合って悲惨な目にあうのもわかっていたはず。
にもかかわらず、こんな無謀な襲撃を企てたのはなぜか?
それは、イスラム教徒にとっての「ジハード」(聖戦)であるからだ、と説明する識者もいます。
※ジハード;ジハードは、「宗教のために努力する、戦う」ことを意味し、「大ジハード」と「小ジハード」がある。「大ジハード」(内へのジハード)は個人の信仰を深める内面的努力を指す一方、「小ジハード」(外へのジハード)は異教徒に対しての戦いを指し、一般的に「ジハード」というと後者を指す。
宗教上の教義であるから、仕方がない、という言い方もあるのでしょうけど、
かつて、我々の祖先がたどった太平洋戦争の末期に現れた「特攻」、
すなわち戦死前提の爆装体当たり攻撃と、この「ジハード」が一部重なります。
※特攻;特攻は特別攻撃隊のことで、決死の任務を行う部隊。「体当たり攻撃」とも呼称される。旧日本軍では航空機による特攻を「航空特攻」、回天や震洋のような特攻兵器による特攻を「水中特攻」「水上特攻」と呼ぶこともある。但し、相手が民間人であることはない。
日本の場合は、太平洋戦争において「特攻」をやりつつも、アメリカから原爆を投下されて、降伏という道を選び、アメリカの枠組みに入ることで民族の存続は保たれました。
しかし、パレスチナ問題は、1948年のイスラエル建国以来、あるいはそれ以前からあり、今なお解決が為されていません。
ユダヤとパレスチナのどちらかの存在がなくなるまで、ジハードを含む、この無謀な争いは終わらない。今回の討ち入りは、そんな、どうしようもなさ、も感じさせられました。
討ち入り(終わり)