世界地図を見て、海外旅行を夢想することが好きなAkiです。
ヨーロッパ。
バルト三国。
エストニア、ラトビア、リトアニアの三国がなかよくならんでいます。
そのすぐ南に、『カリーニングラード』と書かれた地域があります。
これは、バルト海沿岸のロシア連邦の州。
ロシア連邦の最西端で、『飛び地』なのです。
もともと、この地域は東プロイセンと呼ばれ、ドイツの領土だったのですが、1918年、第一次世界大戦でのドイツの敗戦にともなって西プロイセンがポーランドに割譲され、東プロイセンはドイツ本土と隔てられた飛び地となったのです。その後の第二次世界大戦後、東プロイセンは分割され、北半分はソビエト連邦の、南半分はポーランドの領土とされた。それを受けて、すぐにケーニヒスベルク特別管区が設置され、ケーニヒスベルク州としてソビエト連邦に編入された。1946年にカリーニングラード州と改称。1947年までに、残っていたほぼすべてのドイツ人住民はドイツに追放され、今では80%以上がロシア人住民となっているそうです。
旧ソ連の崩壊以前は、バルト3国もソ連だったし、ポーランドや旧東ドイツも共産圏の国だったし、カリーニングラードは飛び地ということもなかった。ところが、ソ連が崩壊し、構成国が独立すると、民族的にロシア人が主となったカリーニングラードは、ロシアにとどまり、結果として、飛び地になった、ということです。
かつては、ドイツの飛び地で、今はロシアの飛び地。
大国の狭間で、揺れ動いた歴史に影響されてそんな土地になってしまった。
でも、そんな歴史に彩られた場所。
とても魅力的です。
飛び地(終わり)