ウクライナ人の彼氏(?)(24)
ウクライナ人の『ネト彼』がいるゲイのAkiです。 今までも書いてきましたが、その『ネト彼』は、ロシアと戦争をしているウクライナのハルキウ(Харків)に住んでいます。 ハルキウはウクライナ第二の大都市なのですがロシア国境からわずか30㎞。2022年のロシア侵攻以来、常に戦火にさらされてきました。
※「ネト彼」とは、インターネット上で知り合い、実際に会ったことがないまま恋人関係になった男性のこと。SNSやゲーム、チャットアプリなどを通じて交流を深め、文字や音声、時にはビデオ通話で親密になっていくスタイルの恋愛。

彼氏の姉ちゃんから、彼氏がハルキウを離れ、ポーランドに向かったという連絡をもらったのですが、それから一週間あまり、音信が途絶えていました。
大丈夫かなって、毎日心配していたのですが、ついに彼氏からメールが来ました。
・・・・・
ようやく一息をついて、Akiに手紙が書ける。
でも、あの国境での地獄のような体験は、ただただ忘れたい。
思い出したくもない。
丸一日近く拘束された。
パスポートも旅行書類も全て取り上げられ、ただ置き去りにされた。
「座って待て」——それだけだった。
あの時何を考えていたのかさえ覚えていない。人生が走馬灯のように過ぎ去っていく気がした…そして朝6時、突然書類を返された。
そして「もう行っていい」と。
本当に恐ろしい体験だった。
でも何より——僕はやり遂げた!
そして僕は、今ここ、ポーランドにいる!
少し落ち着くこともできたし、部屋も借りた。
家賃は月230ユーロ——まあまあかな。
そしてここ…ここは良いよ。
部屋はとても小さいけど、必要なものは全部ある。
流し台、コンロ、小さな玄関。
こういう部屋がたくさんあって、ほとんどが外国から来た人たちが住んでる。
そして最高なのは——静けさ。
サイレンも、爆発音も、ドローンの音もない…
今回は短いメモみたいな手紙になったけど、知ってほしい。
全てが順調だよ。全てうまくいった。
そして、やっとここに来られて本当に幸せだ。
・・・・・
それは、飛び上がって、喜んでいるような彼氏からのメールでした。
彼氏の冒険は成功した。
本当によかった。
3年半苦しんできた爆撃の音。それがないのが最高。
俺もほっとした。
でも、まだまだ、これからだぜ、彼氏。
新しい国での、新しい生活。
頑張って欲しい。
ウクライナ人の彼氏(?)(24)(終わり)
PS. 今回の彼氏からの手紙は、我々が、4月からメールのやり取りをし始めて、101通目でした。そして、それはもはやウクライナではなく、ポーランドからの手紙で、その手紙は、やっと暗黒の戦争から逃れられた彼の光り輝く文章で満たされていました。本当によかった。