アイルランドという国に興味があって、勉強しているAkiです。
アイルランドの宗教について調べてみました。
ローマ・カトリックが、84.2%、プロテスタントが4.64%、そのほかは無宗教やイスラム教であったりだそうです。
ちなみに、隣のイギリスでは、 キリスト教59.3%、イスラム教4.8%、ヒンドゥー教が1.5%。 で、キリスト教の内訳は英国国教会(一応、プロテスタントに分類します)が62%、カトリックが13%、長老派(プロテスタント)が6%、メソジスト(プロテスタント)が3%程度と推定(2011年調査)されています。
なので、イギリスでは、ざっくり半分がプロテスタントということになります(また、カトリックの比率がとても低い)。
したがって、アイルランドはカトリック、イギリスはプロテスタントなのです。
それで、そのカトリックとプロテスタントの違いですが、簡単に言えば・・・
両者ともキリスト教で同じ聖書を使うのですが、カトリックでは、教会が神の言葉を取り次ぐことから神の次に権威があります。一方、プロテスタントでは、教会はあるのですが、神の次に権威があるのは聖書であり、人は聖書の言葉に従うべきという考え方を持ちます。
要するにプロテスタントは神と私(個人)の問題として信仰を考え、一方、カトリックは、神と私(個人)の間に必ず教会という赦しの場を入れて信仰を考えます。そこが決定的に違うわけです。
ということで、プロテスタントは、個人が直接、神と契約し、日々、個人の信仰を保ちつつやってゆかなければならないのに対し、カトリックは、教会の言うとおりにやって、ときどき、教会内にある「懺悔室」で懺悔することで赦しを神から受けることができるわけです。
キリスト教の信仰の主体が、個人にあるのか、それとも教会にあるのか、という
ことがプロテスタントとカトリックの違いということです。
もともとは、イギリスもカトリックだったのですが、16世紀にヘンリー8世が自分の離婚問題を進めるために、1534年には国王至上法(首長令)を発布し、自らをイングランド国教会の長とするとともに、カトリック教会から離脱したのです。
プロテスタントとなったイギリスは、異教徒であるアイルランド人を苛め抜きました。イギリス清教徒革命のあと、1652年、イングランドの護国卿オリバー・クロムウェルによりアイルランドが侵略され、事実上のイギリス植民地となりました。
それから、300年後の1937年、アイルランドは、独自の憲法を施行、国号をアイルランドと改め、独立を達成しました。
そんな経緯があって、アイルランドの宗教はカトリックなのです。
アイルランドの首都ダブリンにとっても大きな教会があります。
聖パトリック大聖堂とクライストチャーチ大聖堂。
※ 聖パトリック大聖堂
※クライストチャーチ大聖堂
首都ダブリンにある、この2つの大きな教会は、いずれもプロテスタントです。
正式にはアイルランド国教会(プロテスタント)とローマ・カトリック双方の主教座(司教座)ということになっていたそうなのですが、カトリックは宗教改革以降(1537年)はこの大聖堂に司教座を置くことができなくなり、聖マリア臨時司教座聖堂 に臨時に置かれているそうです。そのためカトリックは締め出された形となっているとのことです。
そのカトリックが締め出された先の聖マリア臨時司教座聖堂。 それなりに立派だと思うのですが、2つの大きな教会と比べると見劣りしますね。
カトリックが、84.2%の大多数なのに、ばかでかいプロテスタントの教会。
行く人がいるのかな。
イギリスの影が、今でも大きいのかもしれない。
追記)ベトナムも意外とキリスト教が信仰されています。 カトリックの信徒が550万人、プロテスタントが100万人。カトリック国であるフランスの植民地であった時代があったためです。
※ハノイ大聖堂
※ニャチャン大聖堂