日本人ゲイのAkiです。
最近、彼氏のTuから
”このドラマ、おもしろい” と紹介されました。
おっさんずラブ、です。
2018年4月21日から6月2日まで、毎週土曜日の深夜にテレビ朝日で放送されたドラマです。一年前に日本で放送されたドラマなのですが、ベトナムでもネットで見ることができるそうです。
遅ればせながらAkiもネットで見てみましたが、こんなこと現実にあるのだろうか、と思いながらも、おもしろくて、何度も見てしまいました。
ゲイとしては共感する部分が多いのです。
可能性のない恋、ゲイがノンケを好きになってしまう。
でも、同じゲイとしてはなんとかこの恋が成就してほしいと応援してしまい、最終回は涙が出ました。
今年も第二弾が放送されるそうなので楽しみです。
さて、現実の恋愛のこと。
ベトナム人のTuと付き合い始めてから、知り合う前のことを聞いてみました。
今まで付き合った人はいる?
”前にカナダ人とちょっと。いや、いや、付き合っていないよ”
はあ?
”いやAkiが最初の人だよ” ”Akiはどうなの?”
Tuが2人目だよ
”ふうううん” "なんで別れたの?”
と、直球で聞いてきます。
・・・・・・・・・・ 一応、正直に答えました。
”ふうううん、そうなんだ”
あまり過去のことを聞くのはよくないかもしれません。
言いたくないことは誰でもあるし、だけど彼氏のことは何でも知りたい。
ふうううむ、
Akiが最初の人か、本当かな。
Tuは言います。
”本当だよ、絶対。Akiが最初の人、間違いない”
ということなので、信じます。
というか、二番目でも三番目でもAkiはいいのです。
ずっとTuがAkiにとってたった一人の彼氏であれば。
こんな風に考えてしまうのもゲイだからかもしれません。
結婚できれば、そんな不安は一応、なくなるでしょう、
しかしゲイカップルで結婚はありえないし、
普通に生活する上で世間の目は気にせざるを得ません。
ベトナムは家族、親戚の付き合いが日本とは比べようがないほど濃いのでゲイであることを隠して暮らすTuは大変だと思います。しかし、ベトナムでも2012年8月5日にベトナムで最初のゲイパレードがハノイで行われたり、2015年1月1日には婚姻家族法が改訂され、同性婚禁止を撤廃したり(但し、結婚パーティーをして一緒に住むことはできますが、この結婚は婚姻証明書で法的に認められるものではないそうです)と、それなりに変化はあるようです。
一方、日本の場合は最近LGBTという言葉がニュースに出ることが多くなり、ゲイに対する認知度、理解も上がってきているようです
しかし、AkiはLGBTと聞いたとたん、政治的な思惑とかお金とか利権とかの匂いを感じてしまいます。ですのであまり、この言葉は好きでないのです。
LGBTのGに相当する完全な当事者ですけど。
でも、AkiもTuも今のままの関係でいいと思っています。
遠距離で、話す言葉も違っていて、カミングアウトもしてないので周りに祝福されることもありませんが。
Tuと一緒にいると、落ち着きます。
ホテルの一室でTuはパソコンで時々仕事をして、Akiは本を読んだり、ネットやTVをみたりして過ごすこともあります。お互い違うことをやっていたりするのですが、Akiは、この時のこの空間が好きです。
普通の生活を普通にシェアしている、そんな感覚です。
(東南アジアのホテルの一室)
遠距離の関係は、毎日SNSでチャットをすることでクリアできています。
付き合い始めてから、すぐにTuが言いました。
”二人の生活をいつもシェアしていたい、そのために毎日チャットしようよ”
それで実際にチャットを始めたのですが、最初は、英語でのチャットはしんどいな、毎日だと話すことがなくなるかも、とか思っていました。
が、そんなことはありません。
今日はこんなことがあった、大変だった、とか
今日はのんびり過ごせた、とか、何かしらあるのです。
当たり前のことかもしれませんが。
そして日々、お互いが何をして、何を思っているのかをシェアすることは
大変大事なことなんだと改めて気づかされました。
それで、今ではチャットの向こうでTuが何を考えているのか、どう思っているのか、
想像できるようになりました。ちょっとした言葉の違いでTuの気持ちがわかるようになっているのです。英語なんですけどね。
ですので、お互いの生活はシェアできていると思います。
だから、遠距離であっても安心することができるのです。
ささやかな、本当にささやかな安心ですが、大事なことなんですね。
おっさんずラブ、みたいな恋愛はとうていできませんが、ごく普通のカップルで
ごく普通の恋愛ができているとAkiは信じています。
恋愛のこと (終わり)